本作のもう一人の主人公、殤不患は西幽出身で旅の剣客。作中の出来事は主に彼の視点で描かれる。厭世的な皮肉屋を装い、常に憎まれ口ばかり叩いているが、内実は義に篤い人情家である。
西幽から「鬼歿之地」を越えて東離に来たという経歴から、その素性を東離の様々な人間に訝しがられることになる。
また殤不患は英雄好漢を絵に描いたような真っ直ぐな人柄で、自他ともに悪戯に命を捨てることを良しとせず、時として敵を見
逃し「その復讐に怯えない」自らを真の強者と考える。しかし後述の通り、「殤不患」は圧倒的な力を持っているためか、良くも悪くも大雑把であり、生来の情け深さも災いして状況を悪化させてしまうこともままある。続きを表示