『生死一劍』殤不患編で初登場。紅蓮の装束を纏った吟遊詩人。西幽では殤不患の相棒役であった。武器は魔琵琶「聆牙(リョウガ)」。
生まれと育ちは西幽。生来に天賦の歌声と音感を持ち、幼少期は盲目の母・咒旬瘖と山で過ごし、歌と刀の稽古に明け暮れる日々を過ごす。
声変わりを境に事故で母を失ってからは酒場の客寄せとして歌を披露していたが、その酒場が浪巫謠の歌声を目当てにした客に超高額の席料と阿片酒を振る舞
うようになり、それ目当てに悪を成して金を稼ぐ小悪党を増やすことになった罪で捕縛される。捕縛した嘯狂狷によって嘲風の前に突き出され、彼女の前に武芸と歌を披露したことで天籟吟者(テンライギンジャ)の称号を授かり寵愛を受ける。母の悲願であった宮廷入りを果たすものの、嘲風の悪趣味な血の宴に付き合わされ続けたことで、自分の在り方の正邪について悩み続け、かつて親交のあった睦天命の策に嵌ったことをきっかけに殤不患と知り合う。その後、自らの正義の在り方を問い続け、皇女の「鶯」としての立場を捨て、正義を追い求めるために殤不患に同行することを決めた。
『生死一劍』殤不患編で、殤不患を追って単身、鬼歿之地を渡る姿が描かれ、第二期序盤で東離の殤不患と再会。禍世螟蝗が彼の居場所を察知し蠍瓔珞を追っ手として差し向けたことを伝え、以後行動を共にする。
喉に尋常ならざる魔力が宿っており、かつてその魔性の歌声に当てられた西幽の皇女は、彼を宮中に囲おうと軍隊を駆り出し国ぐるみの騒動を起こした。このように声そのものが何かと厄介事を引き寄せることから滅多に口を開かない。その為、普段は常に携えている魔琵琶「聆牙」が彼の言葉を代弁する他、その音色でも感情表現をする。
直感的に対象の善悪を見極めることのできる、「悪党の天敵」。しかし理屈を抜きにして対象の善悪を察知するため、容赦なく「悪」とみなした者に斬り掛かる物騒な性質の持ち主。通常は魔琵琶「聆牙」の音色を攻撃手段とするが、剣の腕前もなかなかのものであり、その際には「聆牙」が変形した剣「吟雷聆牙(ぎんれいりょうが)」を振るう。加えて尋常ならざる聴覚と音感を持ち合わせており、常人では聞こえぬ僅かな足音でも聞き分け、視界を闇に閉ざしても十全に戦うことができる鋭い洞察力も兼ね備えている。更には激昂した際に炎を発現させ、天候を操作し落雷で攻撃するなど、規格外の能力を備えていることが描写されている。
その正体は、西幽の姫である聆莫言と、伯爵位の魔族である阿爾貝盧法との間に生まれた、人間と魔族の混血児であり、西幽の皇家の血筋に連なる者。本人も第三期において阿爾貝盧法に過去へと誘われたことで自らの出生を知り、母を弄び、その運命を狂わせた実父との業縁を知ることとなり、照君臨討伐後、殤不患と別れて魔界へと踏み込む。続きを表示